「休みの連絡ってなんてメールしたらいいの?」
「休みたいときの正しい敬語は?」
今回は、現役ライターの立場から、こんなお悩みを解決します!
この記事のまとめ
どれも似たり寄ったりの言い方だね。
違いを理解して、休みたいときの言い方をマスターしよう!
「仕事を休みたい。でもなんて言えば?」
という方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
仕事を休みたいときの適切な連絡方法や連絡時の例文をまとめています。
敬語を使って「休みたい」なんて言う?(例文あり)
ポイントは「休む」と動詞で使うか、「休み」と名詞で使うかです。
いきなり難しい話にはなりますが、敬語には尊敬語と謙譲語があり、相手を上に見るか自分がへりくだるかの違いがあります。
「お休み」の場合は「お」が敬語表現にあたります。
- 「お休みさせていただきます」→休むのは自分=自分を敬っているのでNG
- 「お休みをいただく」→休みという名詞を丁寧にしているだけなのでOK
この2点を押さえた上でそれぞれの言い回しを見てみましょう。
「お休みをいただいてよろしいでしょうか」でOK
目上の人を敬う表現をするなら、「お休みをいただいてよろしいでしょうか」でOKです。
休みが欲しいことを、周囲に配慮しつつ丁寧に伝えるときの言い方だと思ってください。
「いただく」は「もらう」の謙譲語(相手より自分を低く見る敬語)なので、「休みをもらってもいいですか?」を丁寧にした言い回しとなります。
ちなみに、「よろしいでしょうか」はひらがな表記が正しいです。
「頂戴してもよろしいでしょうか」も同様の使い方なので問題ありません。
「お休みさせていただきます」は誤り
一見問題なさそうですが、「お休みさせていただきます」は敬語として間違った表現です。
この場合「お休みする」のは自分なので、自分を敬っていることになってしまいます。
「お休みをいただく」は「休み」を名詞として扱っているので問題ないのですが、「お休みする」は動詞。「お」を付けて敬語にするのは不適切です。
「お休み」という表現自体は誤用ではありません。
「お休みのところ失礼いたします」など、休むのが自分ではなく相手の場合のは使って問題ないので覚えておきましょう。
「させていただく」については、使い方が難しく、間違いやすい敬語です。
文化庁でも以下のように取り上げられています。
敬語のTPO~依頼の仕方~ / 文化庁
「お休みさせてください」は誤り
「お休みさせてください」という表記も誤用です。
「お休みさせていただきます」同様、「お休みする」のは自分なので誤った敬語となります。
お休みさせて~という表現は避けた方がいいんだね。
対象の行為は自分がすることなのか、相手がすることなのかを考えて「お」をつけるとよいですね。
「休ませていただきます」は正しい
「休ませていただく」は正しい敬語表現です。
「お休みさせていただく」と何が違うの?
自分がする「休む」という行為を敬っているか(=「お」があるか)どうかが違うよ!
なるほど、休むって行為に「お」がないからかぁ。
ちなみに、文化庁によると「~させていただく」を使うのは「相手もしくは第三者の許可を得ているか」「それにより自分が恩恵を受けるか」という条件を満たしたとき。
「~させていただく」を用いるときは、以下の表現に気を付けましょう。
- 二重敬語
例「拝見させていただく」 - 多用
例「上司に確認させていただき、ご連絡させていただきます。」
一見便利な敬語表現ですが、正しく使うには注意が必要ですね。
「ら抜き言葉」と「さ入れ言葉」に注意!
必要なところで「ら」を抜く言葉を「ら抜き言葉」、不要なところに「さ」を入れてしまう言葉を「さ入れ言葉」と呼びます。
「ら抜き言葉」とは?
「ら抜き言葉」は、
見られない→見れない
来られない→来れない
など、本来「ら」を入れるべきところに入れない表現を指します。
子どもっぽい、日本語を間違っているなどの印象を与えてしまうので気を付けましょう。
しかし周囲が使っている場合には、必ずしも「ら抜き言葉」を避ける必要はないと思います。
文化庁では、「ら抜き言葉」を使う地域があることも示しているからです。
”北陸から中部にかけての地域及び北海道など,従来「ら抜き言葉」を多く使う地域があるといった地域差の問題を考慮する必要がある”
言葉遣いに関すること / 文化庁
話すときに使うのはどうなの?
話し言葉では問題にならないことがほとんどだよ。
文章で書くときは、「さ入れ言葉」とあわせて注意しておくといいですね。
さ入れ言葉とは?
「さ入れ言葉」は、
行かせる→行かさせる
休ませる→休まさせる
見せてください→見させてください
など、本来「さ」を入れなくてもよい部分に「さ」を入れる表現のことです。
こちらも話し言葉では問題とならないことがほとんどでしょう。
うーん、わりと使ってたかも
気になるときは逐一チェックするのがおすすめ!
正しい表現を繰り返し使うことで少しずつ定着していきます。
職場へ休みを申し出るときのマナー
続いて、休みの連絡を入れるときに気を付けたいマナーを紹介します。
相手に対して不快感をあたえず、休み前後の仕事もスムーズになるので、ぜひ意識してみてください。
今回は以下の3つを紹介します。
- 挨拶を入れる
- 期間・日程・理由を伝える
- メールは丁寧な表現で結んで締める
それぞれ相手に対して適切な敬語を使いつつ、わかりやすく伝えましょう。
失礼なく、スムーズに休むためのマナーだね。
周囲の安心感にも繋がるよ。
では解説します。
挨拶を入れる
メールの始めに挨拶は必ず入れておきましょう。
「お世話になっております。」を使う方が多いかと思います。
ただし、LINEで連絡を入れる場合は注意。
「<〇日にお休みをいただきたい件> お世話になっております……」
などと通知を見ただけで相手が要件を把握できるようにしておきましょう。
期間・日程・理由を伝える
休みの連絡をする際は、期間と日程、休みの理由を適宜伝えておきましょう。
場合によっては移動の日程なども記載します。
例)
誠に勝手ながら、7月15日から7月20日までの間、お休みをいただきたく存じます。
(休暇の理由)によるものでございます。
ただし、精神的な理由で休む場合には、正直に理由を伝えるのはおすすめできません。
相手の価値観によっては理解されない場合があるからです。
こちらの記事にも、精神的に疲れたときの連絡方法を記載しているので確認してみてください。
休暇中の引継ぎやサポートについて記載する
休暇中の対応についても丁寧に伝えましょう。
例)
休暇前には、(担当プロジェクトや業務内容)の引継ぎをAさんを中心に行い、同僚へのサポートを十分に行う予定です。業務のスムーズな運営に努めます。」
例)業務の引継ぎについては、Aさんと打ち合わせを済ませております
業務の進行に対する配慮があることで周囲も安心できます。
休みの間、勤務先からの電話を受けられない場合には、
「事情により休みの期間は○時~○時まで電話に出られない可能性がございます。xxxxxxx-xxxxx@gmai.comまでご連絡いただけますと幸いです。」
と添えておくとよいでしょう。
メールは丁寧な表現で結んで締める
メールの印象は書き出しと結びの印象が大切です。
最後は丁寧な文章で結びましょう。
例)何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。
例)大変恐縮ではございますが、ご不明点や連絡事項がございましたら遠慮なくお知らせくださいませ。
穏便に休みを取るためにも意識しておくとよいですね。
例文あり:仕事以外で休みを伝える丁寧な言い方
ここまで、職場へ休みの連絡を入れる場合についてお伝えしてきました。
続いて、職場以外に休みの連絡をする際の
- 学校に伝えるとき
- 知人や親せきに伝えるとき
- 家族や友人に伝えるとき
上記3パターンについて紹介します。
学校に伝えるとき
どの程度丁寧に伝えるべきか悩ましいのが、学校の先生ですよね。
電話の場合には敬語の正しさはそこまで意識する必要はありません。
ただしメールで大学の教授やゼミの先生へ連絡する場合には正しい敬語を意識しましょう。
例えば、
「お世話になっております。○○です。7月15日から7月20日までの間、家族の用事でお休みをいただきたく存じます」など、具体的に伝えます。
さらに、「学校に戻りましたら、授業の内容をしっかりと復習します」というように、復帰後の意気込みも添えてメールを送ると好印象です。
知人や親せきに伝えるとき
知人や親戚に休みの連絡をする必要があるときは、ある程度丁寧さが感じられる程度でよいでしょう。
たとえば、
お久しぶりです。
私事の連絡ですみませんが、7月15日から7月20日までの間、用事により不在にしています。
もし急用などありましたら090-xxxxx-xxxxまで連絡をお願いします。
など要件と連絡先を簡潔に伝えます。
「楽しい思い出をたくさん作ってきます!戻りましたらお土産をお渡しします」といった具体的な約束をすると、相手も喜んでくれるかもしれません。
義理の両親とか、なかなか連絡の距離感がつかめないことありますよね…。
スマホの画面とにらめっこしちゃうようね。
相手との関係も考慮して、どの程度かしこまった言葉を使うか選ぶとよいでしょう。
家族や友人に伝えるとき
友人に休暇の連絡をする際は、気軽に要件を伝えましょう。
お疲れさま!○○だよ。
7月15日から7月20日までの間、ちょっとした旅行に行くから、なかなか連絡取れないかも。ごめんね。
などと伝えます。
そして「戻ったら、写真を見せるね!」「何かあればLINEしてね。また遊ぼう!」など、次回の約束に繋がるような言葉を添えると、友人も喜んでくれることでしょう。
まとめ:正しい敬語で気持ちよく休みを申し出よう
今回は「休みたいときの敬語表現」についてお伝えしました。
本記事のポイントをまとめますね。
目上の人に休みを頂くときの丁寧な表現は「お休みをいただいてよろしいでしょうか」でOK。
相手を配慮し、謙虚に伝える言い回しであり、「お休みを頂戴してもよろしいでしょうか」も同様に使えます。
- 「お休みさせていただきます」は誤り
自分が休む場合、「お休みをいただきます」が正しい敬語表現。
「お休みする」は不適切な動詞の使い方となる。 - 「お休みさせてください」も誤り
自分が休む場合には、「お休みさせていただきます」は避けるべき表現
適切な敬語は事象の主体を考慮して使うことが大切。 - 「休ませていただきます」は正しい
ただし、「~させていただく」の使い方には注意が必要で、二重敬語や多用は避けるたほうがよい。
職場へ休みを申し出るときのマナー
今回紹介したポイントは以下の3つ。
- 挨拶を入れる
- 期間・日程・理由を伝える
- メールは丁寧な表現で結んで締める
それぞれ相手に対して適切な敬語を使いつつ、わかりやすく伝えましょう。
以上です!
適切な敬語表現を把握し、状況に応じて使い分けることが重要ですね。