ハンドメイド作品の価格設定方法~かんたんシートあり・適正価格で利益アップ~

当記事にはプロモーションが含まれます
アイキャッチ




「作品の魅力をもっと伝えたい!」を叶えるお手伝い、te-musubi(てむすび)です。
ハンドメイド作品を販売するとき、いくらで売ろうかと悩んだことはありませんか?

作家さん

自分と似た作品と同じくらいの値段にすればいいんじゃない?

すずめ

確かに他の作品の価格を参考にすることは大切ですが、それだけでは価格設定の大切な部分を見落としやすくなります!




この記事では、価格設定で大切なことや、実際の価格設定方法をお伝えしています。
また、記入するだけで適正価格が付けられる「価格設定シート」も用意してみました!
しっかりと利益が出る価格の決め方を一緒に学んでいきましょう。







クリックできる目次

記入するだけでOK!価格設定シート

まず、今回作成した価格設定シートです。PDFでダウンロードできるようになっています。
ぜひダウンロードして記入してみてください!




知っておきたい 利益・原価・原価率



まずは価格設定するときの用語を確認しておきましょう。

・利益
・原価
・原価率

この3つについてお伝えします。

原価とは?

原価とは、作品を作るのにかかった金額すべてのことです。
たとえば

  • 材料費
  • 梱包費・ラッピング材料費
  • 道具の費用(機械の使用料なども含む)
  • 仕入れ時の交通費(または送料)
  • 人件費(時給換算)
  • その他の経費(作品に関わる光熱費やアトリエの賃料)        など



原価=材料費ではないので注意しましょう!
作家さんが最低限お客さんから受け取るべき金額とも言えます。


原価率とは?

付けた価格(値段)のうち、どのくらいが原価なのかという割合のことです。
1,000円で販売する作品のうち原価が500円なら、原価率は50%となります。

一般的には、原価率は30~40%が良いとされますが、ハンドメイド作品は原価率を自分で調整することができるので、作品作りにおいて利益をどのくらい求めていくかは作家さん次第。自分が納得できる原価率に設定することが大切です。



利益とは?

最終的に作家さんの手元に残る金額を「利益」と呼びます。販売金額から必要経費を引いた残りが利益です。

利益は、作品そのものの価値(=デザイン・アイディア・機能性など)とも言えます。
利益を得ることで作家活動の継続やモチベーションにも繋がります。

価格設定で一番重要、かつ決めるのが一番難しいですよね…。


値段=原価+販売手数料+利益

値段の設定をするときには、作品を作るのにかかった材料費や人件費などの「原価」に「販売手数料」と「利益」を足して考えます。

価格を設定するときは適正価格を意識するのがおすすめです。
適正価格=作り手と買い手がともに納得できる価格
自分が納得できなければ売り続けるのは難しくなってしまいます。安易に安売りせず、利益や原価率を考えてみてください。

実際に価格を設定してみよう



では、実際に自分の作品をいくらに設定したらよいか考えてみましょう!
手順は次の通りです。

①利益から考える
②市場調査をする
③原価を考える


①利益から考える

価格設定において一番大切なのが「利益」です。
利益は、作家さんがモチベーションをあげることにも繋がりますし、利益がなければ長く続けられなくなってしまいます。
とはいえ、利益を設定するのが一番難しいとも言えます。


作家さん

もちろん利益は欲しいけど…高くしすぎて売れないのも嫌だし、どうしたらいいの?





ハンドメイドの商品は、安さよりも「納得感」「期待通り」が求められる傾向にあります。
ただし、高いと思うか安いと思うかは、お客さんの価値観にもよっても違います。

この「納得感」と「お客さんの価値観」のギャップを埋めることが大切です。
そのために、次の②と③を意識してみてください。


②市場調査をする

市場調査とは、現在売られている商品の価格相場を調べること。
「牛革のキーケースはいくらで売られてる?」
「レジンの一粒ピアスはだいたいいくら?」
といった感じでOK。

売り場の値段をチェックすることで、商品の価格感がつかめます。




市場調査をするときにはオンライン市場(minneやCreema、メルカリなど)と実店舗どちらも見てみるのがおすすめ。
オンラインショップでは、自分の作品と似たテイスト・大きさ・装飾の作品がいくらで売れているかをチェックしてみましょう。

③原価を計算する

原価は、大きく次の3つに分けられます。

・材料費
・人件費
・経費

それぞれどのような内容になるのか見てみましょう。



材料費

作品が完成するまでに必要な材料にかかった金額のことです。
パーツ・布・糸・金具などの素材や部品を指します。また、接着剤や仕上げ材なども原価として計上します。

作品一つにつき使用している材料を一つずつ書き出してみましょう。
価格設定シートでは1袋あたりの金額と、パーツ1つあたりの金額を記入する項目を設けました。



人件費


まずは作品作りの時給を考えます。
悩んだときは全国の最低賃金(厚生労働省)を参考にするとよいでしょう。

作業代とも言えるのが「人件費」です。作家さんの作業時間の対価と言えます。

一つの作品が完成するまでにかかる時間をはかります。何回か計ってみて平均を出しておくのがおすすめです。

作業の時給×かかった時間=人件費

2時間36分で完成、時給950円の場合
950円×2時間=1900……A
950÷60(1時間は60分)=15.8 1分あたり15.8円
15.8×36=569円……B

A+B=2,469円 



人件費は効率次第で抑えることができます!計算してみて原価が高いと感じたら、まとめて作れる工程がないかなど作業の流れを確認してみてください。




経費

経費とは、作業に直接かかわらない費用のことを指します。

・梱包費(ダンボールや緩衝材など)
・交通費
・アトリエの賃料
・郵送料(送料)
・ラッピング代(Thanksシールやお手紙代含む)

などです。



基本は「値段=原価の3倍」

基本的に、販売価格は原価の3倍と言われています。3倍の場合、原価が500円なら販売価格は1,500円です。
値段を決める時のひとつの目安になります。


とりあえず3倍にしておけばいいかな…?



悩んだら、作品ごとに変えてみることをおすすめします!
価格設定には販売戦略の側面もあります。

たとえば、
①徐々に価格を上げる
最初は利益を市場価格より少し低めに設定し、お客さんに「この価格でこの品質は嬉しい!」という満足感を感じてもらう(=ファンやリピーターを集める)

②商品の種類ごとに原価率を分ける
宣伝や広告用のお手頃価格アイテム~素材や縫製にこだわった高級路線アイテムをそろえる(すべての商品から同じだけ利益を得ない)

③自分のルールを作る
季節物や売り切りたい作品に関しては利益を一律500円や1,000円というように固定にしてしまう
毎回悩んでしまうという方は、自分なりのルールを決めて、そのルールに沿って値段をつけていくと気持ちもラクに♪


など、自分に合った販売方法・価格設定を見つけることで納得のいく値段をつけることができるようになってくるはずです。

実際に価格を設定してみよう

では、実際に次の条件で価格を設定してみましょう!

・材料費500円
・人件費 1,000円(時給)×30分=500円
・経費 200円



まずは原価の合計を計算します。
原価合計(500+500+200)= 1,200円

次に、適正価格を考えます。
原価の3倍→3,600円
原価の2.5倍→3,000円
原価の2倍→2400円
市場調査をして分かった相場の金額とも照らし合わせてみてください。

ここから各販売手数料を引いた金額が利益になります。
minneやCreemaでは売り上げの約10%が手数料なので、3,000円で販売した場合には手数料は300円ほど。
3,000円(販売価格)-1,200円(原価)-300円(販売手数料)=1,500円が作家さんの手元に残る金額です。

自分が納得できる利益額になっていましたか?
原価を使って価格をしぼりこみ、市場価格や希望の利益額と照らし合わせて調整していきましょう♪



価格設定シート

なるべくわかりやすく、簡単にハンドメイド作品の価格設定ができるように作成した「価格設定シート」はこちら↓
PDFになっていますのでダウンロード・印刷してご利用いただけます。




価格は今より高くしても大丈夫?

なんとなく価格を付けてしまっていたという方も多いかもしれません。
私も、最初は自分と似た作品の相場を見て、「なんとなく相場より低くしたほうが売れるかな?」という考えだけで値段を決めていました。

作家さん

価格設定をしてみたはいいけど、すでに販売中で…
値上げに踏み切ってもいいのか悩んでいます



必要な価格改定はしていくべき!

結論は、価格改定は作家さんのためにもファンの方のためにも、値上げが必要だと思ったら踏み切りましょう!
ほぼ利益なしという状況で作品を作っている作家さんも多いと聞きますが、モチベーションを維持するためにも利益は必要だからです。

表


販売はプレゼントとは違います。
お客さんが作家さんの作業に対価を払い、売り上げを立てる(事業の拡大)ために利益も含めた価格にする。それはどんなビジネスでも同じこと。だからと言って必要以上に高価な価格を付ける必要もありませんが、作り手と買い手どちらも納得できる価格を目指していけるといいですよね♪



参考書籍

今回学ばせていただいた主な書籍は次の通りです!
実際に活動されている作家さんの生の声や、ハンドメイド販売の基本、クリエイターとしてお仕事の幅を広げたいという方はぜひ読んでみてください。

ハンドメイド作家のための教科書!! minneが教える売れるきほん帖 /minne作家活動アドバイザー 和田まお(著)

国内最大級ハンドメイドマーケット minneの売り方講座 /監修 minne

ハンドメイド雑貨のお仕事BOOK 「好き」を「仕事」にする!  /マツドアケミ(著)

まとめ:価格設定は計算&納得感が大切!

画像 まとめ

この記事の内容をまとめます!

まずは基本の用語についてお伝えしました。

  • 価格設定では「原価」「原価率」「利益」が大切
  • 「原価」は作品を作るのに関係がある経費のこと
  • 「原価率」は価格のうちどのくらいが経費なのかということ
  • 「利益」は最終的に手元に残る金額のこと




続いて販売価格の計算方法&適正価格について。

  • 販売価格=原価+利益+販売手数料
  • 基本は価格=原価の3倍
  • 適正価格では作り手と買い手の納得感が大切!




よりよい価格設定をすることで、さらにハンドメイドライフが楽しいものとなりますように!



さらに売り上げを伸ばしたい方は、こちら↓の記事も読んでみてください。
実際にminneのランキング上位200作品を分析した結果と、そこから分かった売れる作品の共通点を詳しくお伝えしています!






アイキャッチ

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

励みになります!
クリックできる目次